シネラー

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編のシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
『機動戦士ガンダム』
劇場版三部作の完結編であり、
TVアニメ第31話から最終話を纏めた
内容となっている。
アムロのニュータイプとしての覚醒に
ララァ・スンとの運命的な
出逢いが描かれるが、
壮大な戦争の終結の末に
希望を感じさせる完結編だった。

まず、ほぼ民間人の寄せ集めだった
ホワイトベースの面々が、
本作だと屈強な戦力にまで成長している
事が嬉しくも悲しい事だと思った。
特にガンダムの強さが目覚ましく、
正に白い悪魔だった。
そんな中で、
何の為に戦うのか問われるアムロだが、
人間としても戦士としても成長が
感じられ、三部作の中で最も
主人公らしく思えた。
ジオン軍側においても、
ザビ家それぞれの思惑が詰まった展開に
複雑な人間模様が感じられ、
現実味を帯びていて良かった。
そして、自分の生きざまを通した
最後のシャアは爽快ですらあった。

只、ニュータイプの発現によって、
前二作と違いファンタジー描写に
富んでいるのは、
個人的に苦手な部分ではあった。

一年戦争の終わりであっても、
これからも続く戦争の始まりに過ぎない
事に虚しさを感じるが、
長年に愛されるガンダムの始まりを
描いた良い三部作だったと思う。
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