天豆てんまめ

愛人 ラマン/恋人・ラマンの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

3.6
ジャン・ジャック・アノー監督作品。
舞台はサイゴンを中心とする1920年代の仏領インドシナ。

少女ジェーン・マーチが、裕福な華僑の息子のレオン・カーファイと深い関係を結ぶ。2人の恋と性愛の行く末を描く。

この映画では性描写を赤裸々に描いているものの、性愛を通じて2人の関係性が深まっていく心理描写が行き届いている印象だ。彼らの心情を代弁するようなジャンヌ・モローのナレーションも効いている。

2人が逢うのはサイゴンのごみごみとした街中の一角で周囲からは赤ん坊の泣き声や外のざわめきが聞こえる中、2人は身体を重ねていく。

ジェーン・マーチの少女ながらにして、どこか成熟とした憂いと文学的な雰囲気を醸し出していたのが印象的だ。