レオピン

ゴジラVSビオランテのレオピンのレビュー・感想・評価

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)
3.5
89年(平成元)年末公開。大森一樹監督。本作以降、特技監督は川北紘一。平成ゴジラのフォーマットが敷かれた作品。ビオランテの進化形ってあんなに牙とかいっぱい生えてたんだなー

5年前の新宿でのゴジラの襲撃場所がグラウンドゼロみたいになっていておしゃれなカフェが出来ていた。おい、ちょっと忘れるの早過ぎるゾ。

政府内には国土庁・特殊災害研究会議が置かれ、ゴジラ=Gは災害と位置づけられている。かなりリアルな自衛隊の運用も見られ、エヴァやシンゴジで目指したところの一つの基準にはなっていったのだろう。あのゴジラ対策本部指令室もどこかNERV指令室っぽかった。

<G対策>
第一種警戒体制
Gの活動が物理的以外の科学、地質、気象、精紳などいかなる点でも1つ確認された場合。

第二種警戒体制
Gの活動が声、動きなど物理的に確認された場合。

第三種警戒体制
Gが出現した場合。

第四種警戒体制
Gが日本のある特定地域に上陸することが確実とされた場合。

脚本がかなりいい出来。
ゴジラの復活を助ける三原山の爆破と抗核バクテリアを取引しようとするバイオメジャーとの攻防、抗核バクテリアを奪われ取引失敗→火口に仕掛けた爆弾が爆発→ゴジラの目覚めと流れるようなシナリオ。引き込まれる。火山をバックにゴジラの咆哮、ここまで40分。デーモン小暮がアジる。展開が速くテンポがいい。

サイキッカー予備軍の子供たち(まるでフラナガン機関)がゴジラの絵を挙げて歓声をあげる所なんかおおっと唸ってしまった。

本編ではなんといっても高島政伸が演じた黒木特佐にシビれる。登場時の噂のヤングエリート集団ぶり。マスコミ管制、情報操作も悪びれず行うところなど、なんかティターンズっぽくて清々しいわ。

「志摩・知多・渥美の三半島には陸上部隊 ここでゴジラに勝負をかけます」と吠える。これには東海中部地方からの歓声が聞こえた、、
だがGは大阪湾に出現。うわっ、また名古屋飛ばされたっ! ズコーw

「若狭で態勢を立て直しましょう。私の仕事は敵に勝つか負けるかです!」
この勇猛な指揮官ぶりに萌えマス
「寝顔だけ見ているとこの若者がこれだけの大部隊を動かしてるとは思えないな」
隠しきれない有能さ、少々傲慢でもみんなあなたについていきますヨ

ほかにも権藤一佐(峰岸徹)の決死隊もよかったし、久我美子の官房長官は当時の女性初の官房長官、森山真弓を意識したのだろう。

ゴジラのアクションがやや単調に見えたのは、すぎやまこういちの音楽が影響していると思う。だってドラクエの戦闘シーンみたいなんだもの。

やっぱり平成ゴジラでマトモに観れるのは個人的にはこれだけかな。
最後は日本海に消えていくゴジラでした。


⇒サラジア共和国のエージェントSSS9役のマンジョット・ベディ氏。あんな細腕のスパイがいるものか。狙撃のあと駆け足で歩道橋を一段ずつ降りていくところでズッコけた。インド出身でたまたま通訳で働いていた所をスカウトされたそう。この後はTYOでCMディレクターになったという変わり種。

(2019.6)
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