きゅうげん

悪魔のいけにえ2のきゅうげんのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ2(1986年製作の映画)
3.6
方向性はかなり変わったけど、エキサイトするホッパーとかヒステリックなヒロインとか、これはこれで楽しい続編。

メインヴィランであるレザーフェイスは、『キングコング』以来の伝統に則り“悲しきモンスター”として、ヒロインとの関係のなかで深みを獲得し、前作以上にキャラクター的発展をみせています。
それは残忍な破壊行為・殺戮行為のもつ官能性という、チェンソーに付与されたファルス的モチーフの映画的な表現から裏付けられているといえるでしょう。
ヒロインの開いた足の間にチェンソーを突っ込み炭酸飲料が飛び散ったり、露出度の高い服装の一方で顔面には生皮を被せられたり、レザーフェイスの行為には倒錯した性欲の暴発という側面が垣間見えます。


……まぁ、もっともらしい事を置いといても、映画として虚心坦懐に観ることができていいっすね!
ハコモノ感あふれるセットの遊び心とか、カリカチュア度の高いキャラクターの愛嬌とか、いかにも80年代っぽい空気感はそれだけで楽しいし、ツボをおさえた伏線回収的な展開やケリが付いたら即終了なオチなど、勘どころも絶妙。
名言しか口にしないデニス・ホッパーも最高。薄く小さい物語を補ってあまりある魅力にあふれています。
……とはいえ、このあとパート3・パート4に食指が動くかというと……、う〜ん。