ゆうこん

奇跡のゆうこんのレビュー・感想・評価

奇跡(1954年製作の映画)
4.8
ペドロ・コスタのインタビューを読んで知った異色の映画監督、カール・ドライヤー・・。
初めて観たこの作品で、その才能の特異さ、そしていかにカメラワークなどの点でも抜きん出ていたか、もの凄い監督だと思い知った。

キリスト教についての映画だ。
夫婦の物語でもあるし、宗派の対立も描かれる。
私個人としてはアンネが脇役だけれどとても可愛くて、気になる。

この映画は家で父と観たのですが、冒頭キルケゴールのエピソードが出て来た時に、父が「俺、丁度今キルケゴール読んでるんだよ・・!」と戸惑っていたのが面白かったし印象に残ってしまっています、凄く個人的な思い出なのですが・・。

カメラワーク、構図についてですが、あんなに横長で、真っ直ぐで、というのは今の映画でも見られない。
映画を撮る人にとっては教科書みたいな映画だと思います。
デンマーク語も聞き慣れない発音が、逆に新鮮で、こんな映画観たことない、と隅から隅まで思わされます。
ゆうこん

ゆうこん