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80デイズの一人旅のレビュー・感想・評価

80デイズ(2004年製作の映画)
4.0
フランク・コラチ監督作。

19世紀のフランスの作家:ジュール・ヴェルヌによる1873年発表の同名小説を映画化した『80日間世界一周』(1956)を、『もしも昨日が選べたら』(2006)のフランク・コラチ監督がジャッキー・チェンを主演に迎えてリメイクしたアドベンチャーコメディで、アカデミー作品賞を受賞した1956年オリジナル版とは対照的に、本作は第25回ラジー賞で最低リメイク賞にノミネートされた不名誉な作品となっています。

19世紀末を舞台に、イギリスの発明家:フォッグ博士と中国人の助手:パスパルトゥー、画家志望の気丈なヒロイン:モニクの男女3人が、王立科学アカデミー長官のケルヴィン卿との間で賭けを行い、無謀と言われた80日間で世界一周を成し遂げるべく壮大な旅に出る様子を描いた“世界一周冒険譚”で、本作は1956年版のリメイク作品ですが、中国の翡翠の仏像を狙う悪党一味との追走&攻防劇を絡めたオリジナル性の高い翻案リメイクとなっています。

ロンドンから気球で出発し、パリ→イスタンブール→アグラ(インドのタージマハルを擁する都市)→中国→サンフランシスコ→ニューヨーク…と世界各地を旅する3人の風変わりな冒険劇を描いた娯楽作で、エジプトや日本(横浜)など56年版でフォッグ博士一行が立ち寄った場所が一部省略されています。

世界10か国でロケを敢行した、製作費100億円超えの大作冒険活劇で、気球や汽車、船、飛行機など様々な乗り物で世界一周を目指す3人の冒険と友情とロマンスがコミカル一辺倒に活写されていますし、ジャッキー・チェンが旅のお供であるため香港映画仕込みの本格的な格闘アクションを存分に堪能させてくれます。

英国のコメディアンであるスティーヴ・クーガンとアジアの大スターであるジャッキー・チェン、ベルギー出身の紅一点:セシル・ドゥ・フランスの個性豊かな国際派トリオによるコミカルな掛け合い&共闘で愉しませてくれますし、ライト兄弟役で出演したオーウェン&ルーク・ウィルソン兄弟やジャッキーの盟友であるサモ・ハン・キンポー、英国女王:キャシー・ベイツ、トルコの筋肉王子:アーノルド・シュワルツェネッガーら豪華俳優陣が意気揚々とゲスト出演していることも見逃せません。
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