エリオット

居酒屋ゆうれいのエリオットのレビュー・感想・評価

居酒屋ゆうれい(1994年製作の映画)
4.3
ちょうど見たいと思っていたところに、「ファミリー劇場」Good Job!

田中陽三脚本、横浜の下町にあるいい雰囲気の居酒屋が舞台のラブコメ人情喜劇
なぜか監督はそれまでバブルの申し子のような作品ばかり撮っていた渡邊孝好

古女房の室井滋が病に掛かり、自分が死んだら他の女と結婚するな、結婚したら化けて出ると言いつつ亡くなるが、そこは粋な大将の萩原健一、ピチピチかつときおり不思議ちゃんムード漂う山口智子に惹かれないはずもなく、あっけなくゴールイン。すると古女房がさっそく「居酒屋ゆうれい」として化けて出てきて…

とにかくこの妙な三角関係の3人のやり取りがそれぞれの味わいを出していて楽しすぎる
ショーケンは男っぽいうえに愛嬌がある、本人のイメージとぴったりの嵌り役
山口智子は当時最も売れていたころで、なんかもう可愛らしさがあふれ出ている…
そして、室井滋はもう天才かと思った

三宅裕司や橋爪功ら、それぞれの事情を抱えながら束の間の慰めを求めて夜ごと居酒屋に通う常連客たちのエピソードも「深夜食堂」感を出していてしみじみくる
若き日の西島秀俊はもちろんあの八名信夫も含めとにかく悪い人間がほぼ出てこない(唯一の例外はこれも若いトヨエツ)ところが好ましい

ショーケンはエキセントリックな役も多かったがこういうのが一番似合っていたのではないだろうか…
エリオット

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