ドナウ

落葉のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

落葉(1966年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

冒頭のワイン農家の映像は真実そこで働いている人達の営みなんだろうと思う。章の切り替わりに流れる歌は死にゆくワインと殺されるワイン、成長と引き換えにニコがなくした何かを歌っている。それまで懸命に農家が育てたブドウを弄んできた工場に対して自身の正義を実行するためには今までのようではいられない。強さと引き換えに優しさや思いやりを失ったニコは家父長制の権化となってしまった。冒頭のドキュメンタリーや虚構と理解したようにカメラを見つめ、収められたニコとマリナと49番の労働者達の存在が、ここで描かれた正義の達成と現実との対比になっていたようだった。鐘が鳴り映し出される山肌と朽ちた教会は、かつて豊かだったニコや殺されたワインへの鎮魂だったんだろう。基本的に若い女性とのひとときよりも労働者みたいなおっさん達とはしゃいでる時の方が好きで、♂に目がいくのもそのせい。
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