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ドラえもん のび太の魔界大冒険のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.4
これも人気エピソードな劇場用作品。やっぱりストーリーが面白いもん。

何と言っても映画後半に判明する前振りの巧みさ。平凡な日常に突然現れたドラえもんとのび太の石像。月夜の晩に場所が移っている謎。このミステリーを物語が佳境に入った頃に回収される。あれは膝を打つ構成ですわ。

魔法に憧れ、もしもボックスで魔法の世界に変えるという話。
面白いのは魔法も勉強が必要で、のび太はここでも落ちこぼれなこと。魔法の世界では科学の方が迷信扱いされてしまうこと。魔法の絨毯は自動車の様な高価なもの。など妙に説得力ある設定なんだよな。

で、満月博士と娘の美夜子と出会い、魔界の悪魔の侵略を企んでいることを知る。ゲストキャラの美夜子がとっても可愛いんだわ。個人的には鉄人兵団のリルルより好き。

もしもボックスが壊れてしまい、魔界の星に向かう一向。
人魚のローレライのエピソードとか色々心憎い。

悪魔が、帽子の星の数で階級が分かれているのだが、ドラえもんの飾りの帽子の星の数を見て悪魔が逃げ出すシーン。今でもはっきり覚えているわ。劇場で子供達が大爆笑だった。

ドラミちゃんの登場でもしもボックスで世界を元に戻し、「おしまい」のテロップのフェイントが入るのも当時メチャクチャ話題になった。攻めてるなぁ。この辺は芝山努のセンスもあるよね。

また魔法の世界がパラレルワールドになるという設定も、当時は相当斬新だったんじゃないのかしら?児童向けアニメでこの概念を入れたのは先駆者だったと思う。

演出的にも脂がのってて攻めに攻めていた作品ですな。
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