この頃のジョニー・デップの作品選びは素晴らしいと思います。
誰かに寄り添う役が上手い。
俳優としてもピークなのでは…?くらい。
サム役があまりにも個性的でチャーミングなので忘れられがちだけど、原題は『ベニー&ジューン』。
なのでやはり兄と妹の物語なんだと思う。
お兄ちゃんのヤングケアラーぶりが沁みついてて自分の人生を二の次にせざるを得ないのが切ないです。
『海洋天堂』のお父さんは余命わずかで遺す子供の事を心配するお話なのに対して、こちらはケアする対象が妹さんなだけに終わりがないのよね。
突き詰めると辛いところにサムが現れることで救いがもたらされるのがよかった。
独特な浮遊感というかファンタジックな雰囲気があって登場人物も善人ばかりだから深刻になりすぎない。
でもフワフワばかりでもなく心配も多々ありつつ恋に落ちたサムとジューン本人たちに希望を託す的なラストでした。
あの二人の後ろ姿のキュートさがこの作品の温かさを物語っていました。
あと!ベニーとジューンのお家がかわいい。
多分温室をジューンのアトリエにしてて、そこから裏の川(スポーケン川らしい)が見えるの。
街のロケーションも美しくて、一度行ってみたくなります。
脇役にジュリアン・ムーア、ウィリアム・H・メイシー、オリヴァー・プラット、ダン・ヘダヤが出演しています。豪華!