おまつりちゃん

月曜日のユカのおまつりちゃんのレビュー・感想・評価

月曜日のユカ(1964年製作の映画)
4.0
加賀まりこが可愛い、中身がそんなに無い、なんて聞いたことがありましたけど、果たしてそれに尽きるのかしら。。。
単に加賀まりこ可愛いで終わらせるにはちょっともったいないような感情が残りました。

当時のヨコハマの雰囲気だとか、男女の関係性のほんの繊細な感覚が、体感の様に解るのがけっこう面白かったな。
作中で描かれるユカやその周囲の様子からは、ポジティブな方面の女性性が現代と明らかに違ったのかな、と感じます。
女性は女として見られることを誇り高く受け止めているし、男性は女性を女として見るけれど、それは決して女を軽んじているわけでは無い。

ユカはしょっぱなからずっと「頭が少し悪くてとっても純粋な尻軽娘」みたいな描かれ方をしていて、とことん愛についてちんぷんかんぷんで頭のネジが足りないふうなんだけれど、話が進むごとにどうもただのからっぽには見えなくなってゆきます。
むしろ、さながら研究者の様にすら見える。
ユカのまんまるでキラキラした瞳は、「本当に?」「なぜ?」をとことん問いかけているんです。

探求し続ける彼女は、自分の弱さや虚しさをよく見つめていて、もしかして彼女の生きる姿勢、とても強く美しいのでは……と、歩いていく彼女の後姿を眺めながら感じました。
まっすぐという強さ。


ストーリーの進み方もスピーディすぎず、けれど飽きがこない具合にちょうど焦らし焦らし進んでゆく感じが素敵。
カメラワークや演技、表情の作り方など、演出も面白かったです。


まあでもやっぱり最後に一言、
加賀まりこ可愛い!