あや

美女と野獣のあやのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1946年製作の映画)
4.0
父はベルのために薔薇を取ってこようとするが、美しい薔薇を見つけた場所は野獣が住む城の庭だった。野獣は父に3人の娘のうち1人をよこせば命を見逃してやる、ということを告げる。父思いのベルは父のために野獣の城へ向かう。


まず、蝋燭や時計が喋ったり揚々と踊り出していたディズニー版に比べジャン・コクトー版の本作はおどろおどろしく、野獣の城が死後の世界を思わせるような美しさ。壁に掛かっている蝋燭は、壁から手が生えて蝋燭を持っているようなデザインになっているし、彫像の目だけ動いているという薄気味悪さが豪華絢爛なセットの美しさにあってかなり良い。

70年以上前に撮ったものとは思えないほど心にときめきを与えてくれるような芸術性の高さ。物語は「開け、ゴマ!」で始まり、ベルの涙は宝石に変わる。
正直、「美女と野獣」のストーリー自体は好きではないしディズニー版と微妙に異なる今作のラストも釈然としないものがあるけど、かなり昔の舞台のような美術やときめきを感じるには大満足…
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