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籠の中の乙女のtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
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妄執にとりつかれた両親とその子どもたちはギリシャ郊外に暮らすある裕福な一家。
外の汚らわしい世界から守るためと、子どもたちを家の中から一歩も出さずに育ててきた。
奇妙なルールの下、子どもたちは何も知らずに成長していくが、ある日、年頃の長男のために父親が外の世界からクリスティーヌという女性を連れてきたことから、家庭の中に波紋が広がっていく…

「女王陛下のお気に入り」「聖なる鹿殺し」「ロブスター」で巨匠感を醸し出すヨルゴス・ランティモスがカンヌ国際映画祭の「ある視点」を受賞した作品。
やたら性器を出し、やる気のないセックスを撮り、不穏ギャグというか不条理ギャグ、どんな気持ちになればいいのかわからないダンスシーンもしっかり入っていてヨルゴス・ランティモスの作家性はこの時期からも確立されているのだなと実感。
またセックス、家族、家庭(コミュニティという意味でも)というテーマも一貫していて、アリアスター監督、是枝監督とも通じる。
今作の訴求ポイントは過保護な親への報復、逃走、精神的親離れなのかしら?って思いつつもシュールすぎてよくわからんかった。
本当この人がアテネのオリンピックのオープニングとクロージングの演出をやったなんて信じられない(いい意味で)
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