こういう少しファンタジックなドラマは昔から好み。
自らを遥か彼方、琴座のK-PAXという惑星から来たと称するケビン・スペイシー、精神病院で彼を病だと診断し治癒しようと苦闘する精神医学者のジェフ・ブリッジス、この主役ふたりの演技がとても良く、魅せる。とりわけ、自称異星人という難しい役柄のケビン・スペイシーが見事。
異星人などいるわけがないという常識的な見方の医師とともに見る者も、この自称K-PAX星人の謎を追うことになる。終盤、催眠療法によりトラウマ級の事実が判明する。しかし、それが必ずしも彼に関わる真実の全容かどうかは明確にされないまま、余韻を残し、映画は終わる。
「光の旅人」というのは原題には付かない副題だけど、劇中、随所で光が美しく捉えられており、上手いタイトルだと思う。他の患者、病院スタッフ、医師の妻、友人などの共演者も自然な演技で、本作の静かな雰囲気を乱さない。
邦訳は出ていないが複数巻にわたる原作があり、物語はより膨らみのある展開になっているそうだ。ただ、本作だけでも、十分まとまっていると思える内容だった。
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