“チェコ・ストップモーションアニメ最後の巨匠”と呼ばれるイジー・バルタ監督のモノクロ実写ホラー。
古屋敷に忍び込んだ盗人が古美術をあさっていると住人家族に見つかってしまう。しかし意外にも歓待され一緒にギャンブルゲームを始めるが。。。
サイレント期のゴシックホラー調を完全再現し、モノクロフィルムへの着色をふんだんに施している。古い西洋絵葉書を動画化したような風情で、「こういうのが観たかった」という耽美趣味者の夢を見事に実現している。
真似事のレトロ調では必ず安っぽく見えるものだが、本作の再現度は完璧に近く、バルタ監督自身が筋金入りのゴシックホラー愛好家であることが
伝わってきた。
一種のパロディであり本家を超えるような突出したクリエイトはないかもしれないが、耽美趣味が極められていて好事家には嬉しい一本。スコアは個人的偏愛度により高めにつけておく。