ryosuke

青春の蹉跌のryosukeのレビュー・感想・評価

青春の蹉跌(1974年製作の映画)
3.6
冒頭、室内でショーケンと親友が声を出しながらタックルし合うシーンだが、「アフリカの光」で田中邦衛を抱え込んで移動するショーケンの図もそうだけど、どこか擬似的な性行描写に見える。同性間の関係の匂わせなのかそうでもないのか。
当方ロースクールの学生だが、「法律なんてものの中には一片の真理だってありゃしない」とかいうセリフにはまあそうだよねと思ってしまった。結局技術の話なんだよな。
学生運動の挫折による虚無感とCMの“what to do next?”。
結構当時はヒットしたという話なので、神代辰巳カラーはあまり見られない一般向けの作品かなと思っていたが、普通に割とヘンテコだった。「アフリカの光」よりははっきりした展開があるけど、シュールで妙な演出に唐突な編集、謎の民謡等々。これでもヒットするのか。「100円でええねーん」の女が面白かった。
ただ時代の変化だろうか、今見るとショーケンの桃井かおりの扱いがミソジニー丸出し過ぎて(例え最後の行為が無くても)不快感がキツイ。「アフリカの光」も本作もそんなにハマれなかったので意外に神代は刺さらないかも。まあロマンポルノ方面の作品も幾つか見てみようとは思うけど。
ショーケンが外道へと「堕ちていく」瞬間を視覚化する坂の演出は良かったかな。普通に結婚式のスピーチなんかしちゃっているのはまだしも、おんぶの反復はえげつなくてゲッと思った。これは上手い。そりゃボキッといくよ。
ryosuke

ryosuke