アランスミシー

アダプテーションのアランスミシーのレビュー・感想・評価

アダプテーション(2002年製作の映画)
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2回目

8年間付き添う恋人と別れを告げられないチャーリー
夫に別れを告げられないスーザン

他人の目を気にしすぎるチャーリーが、双子の弟ドナルドの持つ図太さ「愛されるより愛する方が大事だ」愛する自由を手に入れる話
つまり自分を自我という檻から解放してあげる事


【ログライン】違和感の節目
社会に疲弊したチャーリーとスーザンはそれぞれ社会とかけ離れた場所への逃避を求めて旅に出るも、その魅力的な対象の裏には一般社会よりも闇深い裏がある事を知り。社会の通説に則る事の重要さを悟る。
理想と現実が違った時にその現実を受け入れられるか

幽霊ランとは、現実逃避したい人間を惹きつける幻(現代でいう貧困者が陥りやすい陰謀論の役割と酷似)

「ラロシュはランを愛した、だが死に至るほどの採集の困難も同じくらい愛していた」
主人公のチャーリーカウフマンが持てていない冒険への愛=挑戦欲求?

チャーリー「ランの魅力を脚色せずそのまま書きたい」=安全欲求の現れ?
タイトルのアダプテーション=変更or変化する事を受け入れるというメッセージ

安全欲求→挑戦欲求

スーザンのメモの「誇大妄想の気あり」はインヒアレントヴァイスへの影響?

ジョン「自分の花を見つけたら誰にも邪魔させない」

スーザン「彼らの植物への情熱。私は羨ましいと思った、だが私は冷めた性格だ、もし夢中になれるものが持てるなら、何かに溺れる味を知ってみたいと思った、幽霊ランを見る幸福の前に全ては色褪せる、もし幽霊ランが本当に幽霊でも、人々は魅了されてやまずその花を追い続けるだろう、何年も何マイルも、実在するなら私も見てみたい、私はランを好きでも何でもない、だがこの目で確かめたいのだ、人々を引きつけるこの花を」

チャーリーの双子の兄弟が行ってる行動とまさに一致。自分よりも能力が無いのにこんなにアツく脚本執筆に熱中する姿に憧れている

スーザン「なぜ次から次へと移れるの?情熱を注いだものが惜しいとは思わない?カメは10歳の頃時の唯一の生きがいだったでしょ」
「何かに熱中したら少しは後を引くのでは?彼はきっぱりと絶縁して次に移っていく、私はそのやり方に憧れすら抱いた」

《車内の会話》
ジョン「そのうち人が来ては、植物とおれに感心してった、話し相手が欲しくて来る奴もいたな」
自分の事を言われたような気がしたスーザンの表情

スーザン「世の中には考え方や物や人があふれ、方向性も様々だ、私はこう思い始めた、何かに熱中することは手に負えるサイズまで世界を削ることだと」
チャーリー「やさしくて悲しい見方だ、でも真実だ」
つまりラロシュは一見挑戦欲求に見えたが、家族の事故死を忘れるためにテキトーな目的に現実逃避した安全欲求者だった?

スーザン「終わりよ何もかも、どこで間違ったの、やり直したいもう一度人生を始めから、赤ん坊に戻って別人に生まれ変わりたい」
やってくる現実を受け入れられないネガティヴエンディング(現実逃避)に陥るスーザン

チャーリーは平凡な自分という現実を受け入れ、それを脚本に入れた事でテーマ獲得

1回目、
愛と哀しみの果て、マンハッタンを見るとより深くメリル・ストリープのキャスティングを理解できる
ドナルドはハリウッドの典型
チャーリーこそが芸術家

考えてみたら、自分が作った卒制完全にアダプテーションの影響やな