Sasada

blueのSasadaのレビュー・感想・評価

blue(2001年製作の映画)
3.6
常に不機嫌そうな市川実日子が印象的なクィア映画。
何者でもない10代の焦燥と絡めつつ、好きな人の「1番ではない」ことで乱れる未熟な感情を繊細に切り取る。

好きな人には好きな人がいて、私だけが知っていることもあれば私には知らせないこともある。
相対する他者に応じて姿を変えるのなんて当たり前だし、変化のあり方こそがその人らしさだと、今は何の違和感もなく思えるけれど。10代の頃には、頭で理解していても実感として嫉妬したり孤独な気分になったりした気がするなーと。

隣の芝生はまさに“青く”見えるものだから、いま持ってるものを確かめながら生きていく。恋愛映画だけどちゃんと彼女からの人生の話になっていくのも良い。
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