mh

誓いの休暇のmhのネタバレレビュー・内容・結末

誓いの休暇(1959年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もらった休暇で帰郷するという戦争ものでバカンスもの。
短い間に出会ったひとたちとの交流を連作短編タッチで綴ってる。
線路脇には破壊された車両があり、遠景には瓦礫。町にはチェコの針鼠(戦車避け)が設置されてる。
歩哨は肉の缶詰を要求するし、石けんを届ける奥さんは貞操を守ってない。いい人ばかりのハートウォーミングな話にしてないのが素晴らしい。結果、ヒロインとの出会いが生きてくる。
近づこうとすると「ママー!」と叫ばれたりして、一筋縄ではいかない恋の描き方が巧みだった。奥さんだといえば簡単に乗せてもらえたはずの軍用列車に、アドリブが効かないで乗れなかったり、そのピンチを軍服を着させて解決したりするのが単純だけど面白いし効果的だった。
名残惜しいけど、クラクションが鳴っている。母親との再会に時間がなくなってしまうのも良かったなぁ。
その後彼は戻ってきたのかわからないエンドなのかと思いきや、戻らなかったとナレーションが続く。これが英雄らしさと、若者らしさが渾然一体となった、素晴らしい余韻につながっている。
地平線まで続く道の向こうに消えていくという画もすごい。
この手のヤツは「鶴は翔んでゆく」がドラマチックでかなり好きなんですけど、ラストシーンだけだったらこっちのほうが上かもしれない。
この頃(スターリン亡き後のちょっと自由になった頃)のソ連映画すげーな! 面白かった!
mh

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