TOMO

イディオッツのTOMOのネタバレレビュー・内容・結末

イディオッツ(1998年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

愚者の証明

白痴のフリを繰り返し、社会の偽善を嘲笑しようとするストファーの本心は結局分からなかった。
本気だったのかもしれないし、
他のメンバー同様、怠惰や行き過ぎた快楽主義とも取れる。

ただ彼らの本気度合いに依らず、
一時的にでもカレンにとっての救いになっていたのは間違いない。

(としても、着の身着のまま飛び出して、とんでもねえ連中にぶち当たったもんだ…って感想は変わらないけど)

ドグマ95の誓いゆえ回想シーンが無く、推測しかできないが、
家族内でのカレンの立場を予想は出来る。
常日頃から真面目な妻・娘であるよう強制され続け、
子供の死で耐えきれなくなったんじゃないかな…とか。
口の前に手が出た夫や、家族の冷ややかな視線からの推測。

そんなカレンにとって、
愚者で良いという「思想」は良し悪しによらず、本当に心地よいものだったのではないか?

愚者であるから本心を露わにできる
愚者になって初めて本心をさらけ出せる
イェップとジョセフィーヌの関係性からもそれは言えると思う。

一見不快で軽薄でも、ふと考えさせる良い塩梅なのは、
トリアーの魅力の一つだと再認識した。
TOMO

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