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レディ・イン・ザ・ウォーターのkouのレビュー・感想・評価

2.0
《監督の独走感》
引き続きシャマランの作品を見続けているのだが、今作はなかなかの癖のある作品だった。例えば「シックスセンス」や「アンブレイカブル」は良い作品だと思うし、「サイン」や「ヴィレッジ」は何となくシャマランという監督の作家性や性格の部分を楽しむ作品だと思う。ただ今作は癖が強く、脚本の荒も目立つ作品だったように思う。

監督の頭の中のストーリーをそのまま映画化したという今作では、水の精が主人公の元へ現れる所から物語が動き出す。今作がどうして失敗したか考えてみたのだが、どこかすべてご都合のいいように物語が進んでいくところに、観客がおいていかれてしまうのではないかと思う。主人公は一切、水の精であるストーリーを疑わないし、周りの人々も全く怪しむそぶりも見せない。マンションですべてが完結し、都合のいいように進む。正直途中から物語に対し興味が持てなくなっていってしまう。

ただ、とてもいいのはブライス・ダラス・ハワード。前作ヴィレッジでもよかったが、あの透明感というのがよかった。水の精という役柄にはとてもあっていたと思う。また、今作のこの独走感というのも監督の持ち味だと思えば、シャマランファンにはそこも含めて楽しめるのかもしれない。
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