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アバターのprocerのレビュー・感想・評価

アバター(2009年製作の映画)
3.0
 ついにこの時代がきたか・・・。それがこの作品を観てやはり一言目にきますね。ジェームス・キャメロン監督の作品は、過去にさかのぼっても素晴らしい作品ばかりでしたが、今回は現在あり得る技術の集大成として出来上がったものと素直に思えます。

 3D時代の到来の第一弾がこの作品でよかったと思える作品であると思えるのは、今まで3D技術は、驚きの得られる演出が多く、わざとこちらにとがったものを向けたり、石が飛んできたりと、そういう場面が多いのですが、この作品は違います。世界観をどう伝えるのか、それに終始した使い方で、見事な世界観を伝えることに成功しているのです。人によるとは思いますが、3Dを利用した場面はおそらく、目に負担をかけて疲れてしまうと思われます。大勢の人がいたり、忘れかけたころに3Dの映像がめに飛び込むことはありましたが、3時間という長丁場を3Dで最後まで魅せるのは、やはりさすがと言えると思いました。

 設定、映像のクオリティはもはや語ることもないでしょう。興行的には失敗したといわれる「アビス」は、私の大好きな作品の一つです。この作品はおそらく3Dリメイクすればもっと素晴らしいものになるのかもしれませんが、映像だけでなく脚本そのものにも魅力がある作品でした。今回も壮大なテーマを、現実世界でなくてよかったと思える映像を織り交ぜて語られます。アバターという言葉は、もはや現在ではネットの世界などで使われているので、案外とっつきやすいものと思いますが、この設定自体も大変面白いと思いました。ただ、ややこじつけというか、マンガ的なストーリー展開はあることは否めませんが、そこはこの世界を楽しむためには突っ込んではいけないことだと思います。

 冒頭、3Dを感じさせるのは開始早々に訪れます。おや?これは目の錯覚?と思うものはそうではなく、3Dの演出であることがわかります。この入り方も大好きですね~。何もかも考えられていることが感じられて、素直に映画を楽しむことができました。

 この映画はDVDなどを待ってはいけません。3Dを是非体感してください。キャメロン監督本人は、ストーリーボードの絵も自分で描いていたり、前作タイタニックで主人公が描いた絵も監督の作品であるというエピソードでお分かりのことと思いますが、自身がイメージした映像を映画化することができる今の技術があってこそ、この素晴らしい作品ができたのだと思います。1位を塗り替えるにふさわしい、新しいエンターテイメントの可能性を現した作品であると思いました。
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