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霧の波止場のpikaのレビュー・感想・評価

霧の波止場(1938年製作の映画)
3.5
2Kリマスターされていて画質が良く、モノクロの美しさをこれでもかと堪能。当たり前だよと言わんばかりに画面がカッコよくて凄い。
人が出会い集まりドラマが展開していく中で、あらゆる方向に進んでも面白くなりそうな展開がスパスパと断絶、流動し、序盤の空気からは想像のできない方向へと舵取りしたかと思えば一周回ってラストで綺麗に着地する。どうなるのか、何が軸となっているのかが最後まで全く分からず「FIN」の文字で気づかされる映画体験に、順序的には逆だけどなんとなくゴダールぽさを感じた。突然人が死んでいく様など特に。でも私が知らないだけで多いものなんだろう。

運命付けられた厭世的なドラマ展開と評されノワールと詩的リアリズムの融合なのか狭間なのか、価値のある逸品とのことで、ファッションや世界観、キャラクター性やシーン1つ1つの面白さなどアイコンとしての醍醐味は感じられるが好みとは少しズレました。いつかまた見よう。
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