Mariko

カンバセーション…盗聴…のMarikoのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
4.3
初鑑賞。
最高にスタイリッシュなサイコスリラー。

プロ中のプロの盗聴屋でありながら、自分が犯罪に加担してしまった、してしまうかもしれない、ことに罪悪感を覚え、徐々に狂気に苛まれていく男を演じるジーン・ハックマンが素晴らしい。こんな繊細な演技をする人だったのか!(これまでの認識が甘くてごめんなさい)
また脇役も、若きハリソン・フォードの眼力鋭い謎の秘書、カメオで終盤ちょっとしか出てこないロバート・デュヴァル(大好きなのでどうしても言及したい笑)、そしてなんといってもジョン・カザール、いるだけであのヌルっとした感触を出せる俳優って他に見たことない!

このガードが堅く慎重を極めた主人公が、何故あの夜だけは妙に不用心になってしまったのか、がちょっと不自然でそこだけは気になったのだけど、それを除くと言うことなし。現実と妄想の境目が判別つかないような描写って昨今は当たり前のようにあるけれど、70年代前半にはかなり斬新だったのでは?
オープニングが俯瞰から寄っていくショット、壊れきった狭い部屋がラスト、というのもすごく好き。
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