Mariko

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のMarikoのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.7
『ゲゲゲの鬼太郎』子供の頃そこそこ観てたけど、すごく好きだったわけじゃなくて、その前日譚として考えた時にどうか、という考察はできない程度の薄い視聴者。そういうレベルの視聴者としては、たしかによくできてるという印象。人間の醜悪さ、狡猾な薄汚さに抗う正義を、『総員、玉砕せよ』でも描かれた水木しげるの戦争実体験をまじえて、ある種のエンタテインメントとして見事に構成している。
ただ、好きかといわれた時に、諸手を挙げてそうとは言えない感じ。

まず、鬼滅ほどではないけれど、なんでもかんでもセリフで説明させ過ぎ。まあこれは昨今の日本のアニメの流儀として認められちゃったから仕方ないのかな。

それから、これは完全に好みの問題なのだけど、横溝ワールドが好きじゃない。小説ならまだしも、いわば角川が作り上げた犬神家的「画」が。今作を展開していくのに合ったテイストだとは思うけど、ここまで寄せなくても笑。

あとこれも2020年代アニメとしては必須なんだろうけど、女の子と子供が鬼太郎ワールドから数千里かけはなれた作画なのがなあ。冒頭で鬼太郎と一緒にセーラームーンみたいな女の子笑がいるの何故?と思ったらこれが猫娘だった💦 そういえば、最近の猫娘は目がキラキラで八等身なんだ、って何かで見た記憶が蘇ったけど、この時点でちょっとため息。いや別に私は水木タッチのファンではないし、猫娘にも何の思い入れもない。でも幼少時に観たアニメの記憶っていうのはなかなか上書きできないものでね。

つまり、完成度の高さとしては認めるけれど、個人的嗜好には今ひとつ合ってない、という結論。
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