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お茶漬の味のyoko45のレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
4.6
夫:茂吉(佐分利信)
妻:妙子(木暮実千代)
姪:節子(津島恵子)

 戦後昭和20年代の庶民的な光景(野球、競輪、パチンコ、ラーメン、タバコ)が多く、当時の雰囲気を感じることができて興味深いです。でも登場人物達の暮らしは良い方でしょう、立派で使用人もいる家屋に住んでいるし、妙子は友人と修善寺の温泉宿に泊まったり歌舞伎を見に行ったりしているので。
 茂吉と妙子は見合い結婚。茂吉は妙子の小さな嘘をとくに注意もせず、そもそも気づいているのかも分からない様子。貴族的な妙子は面白くないから友人と遊び、茂吉を鈍感さんと呼ぶ。そんな二人をみて姪の節子は見合いを勧められても全くその気になれません。
 見合いをすっぽかした節子をめぐって茂吉と妙子が言い争い、茂吉が一言「どうせ○○のような夫婦がまた一組できるだけじゃないか」。これは言われた相手が怒るのも当然、おもわず笑いが吹き出してしまいました。
 その後も色々ゴタゴタがありますが、使用人も寝てしまった夜中、茂吉と妙子が台所で夜食の準備をする場面がずっと観ていられるくらい微笑ましくて素晴らしいです。
 夫婦はお茶漬の味、良いような、なんだかお茶を濁されるような不思議な言葉ですが、お互いの好みの味を知ることは大切かもしれません。

(メモ)
笠智衆(パチンコ屋)
鶴田浩二(茂吉の甥)
淡路千景(妙子の友人)
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