このレビューはネタバレを含みます
作品が日本アカデミー賞に絡んだ為に、地上波の映画劇場で放映され、それが初見だった。
犯人役の“萩原健一”、妻の“小柳ルミ子”、娘の“高橋かおり”がとても良かった。
喫茶店を経営していた犯人夫婦が借金のために店を取られ、それでも借金で首が回らず、妻はパートに出ている。
夫は営利誘拐を企てるがさらったのは娘の同級生だった。
その時点で計画に綻びがあるのだが、気付かないまま誘拐実行、そして子供を乗せて車は東北の海岸線をひた走る。
途中、隙をついて子供が逃げたり、捕まえた後は子供が重荷になり、袋ごと海に捨てようとするが「おじちゃん、オシッコ」と言われて思いとどまるところや
身代金要求の電話の際に手が“かじかんで”小銭を落としたり、芸が細かい。
実際に起こった営利誘拐事件を新聞記者の目線から描いている点が斬新だったが物語がサクサク進む訳ではない。
“ショーケン”ファンの私には見応え十分だったが、そうでない人には退屈に感じたかもしれない。
こういう事件は加害者家族も被害者だと思った。