おもしろかったなぁ。
昭和の、80年代の、熱気というか、警察より強い立場にあった新聞社のエネルギーとパワーを感じた。
犯人役のショーケン(萩原健一)の色気がすごい。目が離れ気味なんだけど、なんだろう…不思議な魅力がありますね。そこまで彼のことは知らないけど、なんかざわつかせるよね。
身代金を目当てに誘拐事件を起こすショーケン。彼には妻とひとり娘がいる。妻を演じているのは小柳ルミ子だ。この人も綺麗だよね。ショーケンは、娘と同じクラスの医者の息子を誘拐するのだが、その誘拐の手口というか、それが斬新。まるで動物を罠に掛けるみたい。
そこだけスローモーションになるとこも、演出的におもしろいのだけど、ちょっと怖い。
その事件の報道を巡り、警察と火花を散らす新聞社。この新聞社の面々が「ザ ・昭和」である。なんか格好良い。
報道協定を守るのが前提だが、その攻防がおもしろい。
男たちの仕事にかける気概を感じる。
誘拐事件において新聞社は、人質の生と死のどちらのパターンの記事や見出しも用意しておかなければならないという。
まだ死んだと決まっていないのに書けません!そんな酷いこと出来ません!と意義を唱える若手に対して、上司が言う。
新聞は事実を迅速に伝える義務があるんだ!酷いと言うなら、こんな事件を起こした犯人に言え!
新聞が出来上がる過程も描いていて、本格的だ。刷版が作られる過程、版胴に版が巻き付けられる過程、唸る輪転機…
また、ショーケンが次第に追い詰められていく様や人質の男の子にだんだんと情が湧いてくるあたり、人間らしい一面も描かれる。
決して極悪人ってわけじゃないんだ。
果たして、警察は犯人を捕まえられるのか。新聞社は報道協定を守り、マスメディアとしての責務を果たせるのか。
骨太のドラマである。
是非とも観る機会があれば観てほしい、
藤谷美和子も出てるよ。
彼女…めちゃ可愛いね。