ものぐそ太郎

ダンサー・イン・ザ・ダークのものぐそ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

2.7

このレビューはネタバレを含みます

有名な映画らしいけど、全く事前情報ナシで鑑賞。

●独特なカメラワークと、ミュージカルシーンが印象的。面白い。
●キャシーは本当に誠実な人だな。友人とはいえ、あれほど公私にわたってサポートし続けるのは尊敬に値する。
●刑務官のブレンダも、最後の最後までセルマに寄り添っていた。囚人に、そんなに情をうつして大丈夫!?…とは感じたがw
●ジェフも誠実な人間だと思うけど、いい人すぎて逆に怖いw「愛」とはいえw
●ビルは序盤から、怪しさ漂っていた。彼の裏切り行為が、セルマを含め何人もの人生を狂わせるが…自分は何も責任を取らず、身勝手なままお亡くなりになり、現世から逃亡した。彼が金に困り、差し押さえ寸前だったのは、ちゃんと調べれば分かるんじゃないか…?文字通りの金の亡者。
●リンダはラストの絞首刑のシーンにて、深くうなだれる姿が映し出されてる。真実を知った?ただ単に元・友人が死ぬのを目の当たりにしたから?
●主役のセルマ。息子のために危なっかしくも健気に頑張るお母さん……しかし、夢みがち。その一方で変に頑固で偏屈。ほぼ盲目状態になるが、息子やミュージカル、友人知人に盲目的であるが故に、劇中のように不幸極まりない展開を迎える。ビルの犯行・殺害は防げなかったとしても、もう少しちゃんと現実に向き合い柔軟になれば、違う人生を歩めたはず。正直、あまり感情移入ができなかった。


監督は「母の愛の強さ」を描きたかったのだろうが、セルマが過剰なこだわりを見せるがために、それが独りよがりなものという印象を受けた。
ビルの身辺調査もせず、セルマを共産主義者と決めつけるのが、アメリカの最高裁??フィクションとはいえ、セルマに対して、一方的で理不尽な展開が、不自然に感じる。
鬱なバッドエンドは個人的に問題ないけど…時間が長すぎる。セルマのぼんやりと妄想ミュージカルと、ビルの裏切り、数々の悲劇的な展開をダラダラ見せられた上、前述の「独りよがりな愛情と死」で締められても、特に感動しない。

総合して、スコアはこのくらい。
良いところはあるけど、映画としてそれほど面白いとは思えなかった。悪い意味で「マニア向け」