照本

ダンサー・イン・ザ・ダークの照本のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラスト30分は号泣でした。
看守の女性、思いを寄せてくれた男性、気遣ってくれる女友達…いい人たちはたくさんいたのに、たった一人の身勝手な糞男のせいでこんな結末に…
セルマの空想で繰り広げられるミュージカルはある種の現実逃避なのかな…ラストも107歩歩く絶望もミュージカルのおかげでなんとか歩けたし、最後の死を迎える絶望もミュージカルで乗り越えたし…
息子の手術がうまく行ったことだけはよかったと思うけど、でも息子が生きていくのは「殺人犯の息子」という人生であって、その途中で「こんなことになるなら目が見えるより母が救われた方がよかった!」と思う日もあるのかもしれないと思うとやるせないですね…
ビルがセルマに話をしに来た時、瞳孔の開き方がおぞましくて怖かったです。
名作映画ではありますが、噂通り救いのないバッドエンド…母の息子を思う気持ちは美しいけど…
ところで「見るべきものがあるの?」というセリフはよかったですね、でも最後まで息子の目を治すことに固辞していたってことはまだ見たいものがあったんじゃないの?とは思いました
私たちがそうしない限り、最後の曲にはならない…けどセルマが死んだのも事実で…この映画が伝えたかったことは一体何なんだろう…
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