板倉裕聖

ダンサー・イン・ザ・ダークの板倉裕聖のネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

全てが巧妙で不気味で美しくて怖ろしい。
最初の工場のミュージカルから不気味すぎてなんか怖かった。盲目のセルマが音に快楽を求め夢を見るようにミュージカルの世界に浸り込む。ずっと手持ちカメラなのに急に画が安定して無機物に囲まれて踊り出す。表現が美しすぎる。蛍光灯で無理矢理に作り出される明るさも不気味さを加速してる。フィルムが美しい。これこそフィルムじゃなくちゃダメな映画。デジタルでこの映像表現はできないでしょ。

セルマの息子を助けるという信念が最初から最後まで一貫してるのが良い。この強く頑固すぎる信念が殺人も処刑を目前に恐怖するのもセルマというキャラを美しく引き立ててる。ビョーグの演技も最高。
男を殺した後のミュージカル以降息子が出てこなくて最後にメガネだけが出てくるのもすごく良い。

誰かこの感情の名前を教えてほしい。
板倉裕聖

板倉裕聖