このレビューはネタバレを含みます
最序盤でお父さんが死んでいるし、しかもそれが狼の狩猟本能に従った結果の事故であるのがずっと作品に影を落としている。
振り返ってみれば、田舎に住んでからはトトロや魔女の宅急便のように大事件は起きずほんわかした日々なのに、常に子供達(特に回想の語り部でない雨)が死んだり迫害されたりするんじゃないかという恐怖がつきまとう。
常に恐怖が頭の片隅にある花の目線で映画を見進めることができる。
他の細田守作品でも言えることだが、細かな描写や些細なカットだけで背景を雄弁に語るシーンが多くて、密度が高い作品だ。(特に好きなシーンは花が1人暮らしの大学生をやってる時のバイトや喫茶店の待ち合わせ)
絵作りも美しく、見ていて全く飽きない映画だった。