カトリーヌ・ドヌーヴの怪演と、ハコモノを使ったアバンギャルドな映像が魅力的な一本。
おそらく過去の強烈な体験が痛手となって、男性に対する恐怖心を拭いきれないまま大人になってしまった主人公キャロルの心象風景と、渇いた現実の世界が交錯します。
彼女の安置たる姉との部屋が徐々に瓦解していく。辛うじて取り繕っていたささやかな日常が、崩壊していく。
とはいえカトリーヌドヌーブの狂気ぶりが、それと肩を並べるほどに奇怪で怖いんだから、それを見ている僕は四面楚歌ですわな。
ロマンポランスキーはおもろい。
彼は人生と作品が妙に絡みつく率が高い気がする。