松原慶太

間諜最後の日の松原慶太のレビュー・感想・評価

間諜最後の日(1936年製作の映画)
2.5
ヒッチコック、イギリス期の作品。「間諜最後の日」というタイトルがひどく古めかしいが、原題は「シークレット・エージェント」というシンプルなもので、その名の通り、戦時下のスパイ活動を描いている。

この前後の傑作群とくらべると、いま見ておもしろい作品ではないし、テンポもゆったりし過ぎている。DVDは画質もひどかった。
『映画術』のなかで、トリュフォーもヒッチコック自身もこの映画を失敗作と認めているばかりか、ふたりとも結末を憶えていないありさま。

とはいえ、随所にヒッチらしい斬新なアイデアも光っていて、たんなる凡作とはいえない。雪山のシーンは興奮した。シネフィル向け。
松原慶太

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