松原慶太

シェイプ・オブ・ウォーターの松原慶太のレビュー・感想・評価

3.4
孤独な中年女と半魚人の恋を描いた映画。

見てくれは新奇性があるが、話の本質としては「美女と野獣」「人魚姫」「E.T.」などと同様、異人種間のコミュニケーションを描いた古典的なモチーフだと言える。

まぁ深読みすればダイバーシティについてのアレコレが読み取れるので、そこらへんが多数の賞を獲得した理由かと思われます。

「半魚人」は異人のメタファーで、ようするに作り手側の自己投影なんだろうね。

デルトロ監督らしいグロテスクな描写や、性的なシーンなどで好き嫌いが分かれるかもしれない。まぁ客観的にいえば、どんな美男美女であろうがすべてのセックスはグロテスクなものなのだが。

60年代の風俗やオールディーズなどが心地いいので上質な映画を見ている感覚はあった。ただ全体的にフィクショナル(作り物っぽい)ので、個人的にはそんなにハマんなかった。
松原慶太

松原慶太