佐藤克巳

敵機空襲の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

敵機空襲(1943年製作の映画)
5.0
前年航空母艦よりのドーリットル空襲があり同年サイパン、グァム陥落で米軍のB 29の運用が可能になった事から、焼夷弾による空襲が想定された。米屋主人河村黎吉は、その情報を軍需工場技師上原謙から知らされ隣組による防空体制構築を目指すが、同町大家斎藤達雄、不動産ブローカー山路義人が地域買収に現を抜かし非協力的。また、上原を慕う河村の娘田中絹代と、上原の親友通信士徳大寺伸の妹高峰三枝子との三角関係の行方。そんな或る夜、米軍爆撃機大編隊が東京の街を襲い火の海に。河村、下宿屋飯田蝶子、易者坂本武等は懸命に消化・救助活動に専念中、山路の妻子が被災すると河村が命を顧みず火中に入った。一方、山路妹で女教師若水絹子が河村に、上原と高峰の仲人を頼み婚約すると、田中は、銭湯の帰り天麩羅屋の軒先で上原と雨宿りをし、相合傘の仲にあった思い出に浸るのだった。推測するに、戦闘場面は吉村公三郎、田中の場面は渋谷実、高峰は野村浩将監督を担当したと思う。
佐藤克巳

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