ずが

風が吹くときのずがのネタバレレビュー・内容・結末

風が吹くとき(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

今年はオッペンハイマーがアカデミー賞作品賞を受賞し核兵器に対して改めて考えさせられた年だが、これを機に核の脅威を描いた名作アニメーションの『風が吹くとき』を鑑賞。

今作で特徴的なのが可愛らしいアニメ映像に加え実写映像も盛り込まれており、アニメだけではなく事実現実世界の問題なんだと警鐘を鳴らしているように感じた。事実今作が作られた1982年当時は冷戦時代真っ只中で作中に登場する「PROTECT AND SURVIVE」のパンフレットも実際に政府より発行されていたというから驚きだ。

内容は定年退職した老夫婦が政府のパンフレット通りに核シェルターを作ったり、食料を確保したりと対策をするというもの。パンフレットの説明不足や放射能に対する認識の甘さで夫婦は最期の時へと向かっていく。可愛らしいアニメーションとのギャップに子供の頃鑑賞していたら確実にトラウマになっていたであろうショッキングな内容で夫婦が放射能汚染に蝕まれていく様を描く。最期の時まで状況を重く受け止めていないのがむしろ見ていて辛い。

この作品は間違いなく後世に残すべき名作アニメーション。8月に劇場にてリバイバル上映もするみたいなのでより多くの人に鑑賞されるべきだと思う。
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