fujisan

インサイド・マンのfujisanのレビュー・感想・評価

インサイド・マン(2006年製作の映画)
4.0
いい意味で大きく予想を裏切られた映画でした😋!

2006年、スパイク・リー監督作品。

個人的にスパイク・リー作品って苦手でした。黒人差別を徹底的に掘り下げ、容赦ないバイオレンス映画の印象があって。

今回、配信で観られるのと、季節の変わり目でちょっとモチベーションが落ちていたのでこの作品をチョイス。また、先日観た「イコライザー」のデンゼル・ワシントンが主演していたことも選んだ理由でした。



ということで観てみたのですが、これがどーよ。めっちゃ面白い😋!

本作は、銀行強盗&完全犯罪もの。
クライグ・オーウェン演じる犯罪グループのリーダー、ダルトンは仲間を率いて銀行強盗に入り、中に居た50人を人質に立てこもる。

そこに派遣されるのが、NT市警のフレイジャー(デンゼル・ワシントン)とミッチェル(キウェテル・イジョフォー)。フレイジャーは交渉人としてダルトンとの人質解放交渉にあたるのだが・・・という話。


予想を裏切られたポイントは、この映画、アクションはほとんど無かったこと。しかも、中盤で銀行強盗としては解決してしまうっていう展開。あれ、ドンパチ無いの?火薬ゼロ?っていうことで、それに期待を全振りしていると裏切られた感があるかもしれません。

ただ本作は、今まで見たことがないパターンの見事な脚本でした。

説明難しいですが、映画は銀行強盗のシーンが進みながらも、事件解決後の取り調べのシーンが挿入されます。

今まさに犯人に拘束されている人質が、次に挿入されたシーンでデンゼル・ワシントンと取調室で談笑してる。つまり、あ、この人は生きて解放されたんだなってことが分かった上で、強盗シーンを見ていくことになる。

それが何人も何人も続いていく。あ、この人も、この人も、、、あれ?この顔犯人側に居た人じゃない?、みたいな、まるでトランプで神経衰弱ゲームをしているような感じで混乱させられながら、映画はどんどん進んでいきます。

そして、銀行強盗は終了。。。と同時に、まるで神経衰弱の新しいゲームで全てのトランプカードを裏向きに並べたように、多くの未解決の謎が眼の前に並び、さて、映画スタートです、という感じ。

ネタバレ厳禁のこの映画、是非続きはご鑑賞ください。



本作には、上に書いた以外にもウィレム・デフォー、ジョディ・フォスター、クリストファー・プラマーなど、大御所俳優揃い踏みのオールスター映画でもあり、画の華やかさは半端ないです。

でもでも、とにかく我らが”マッコールさん” デンゼル・ワシントン。
・人懐っこい笑顔
・人間味ある優しさ
・身体もでかいし、頼りがいがある
・怒ったら怖い
っていう、私が考える勝手なイメージにぴったりな映画だったのです。

50人の人質を取っている犯人とも時にジョークを交えて話すマッコールさん。犯人かもしれない人たちとも談笑しつつ鋭い質問を混ぜ込むマッコールさん。決して甘い誘いには乗らないマッコールさん。

まるで、いつ腕時計に目をやって『9秒だ・・・』って言い出しかねないマッコールさんが、そこに居ました😋


後で調べると、取り調べ室のシーンはアドリブだらけだったようで、ベテラン俳優同士のスキルの高さに驚愕しますが、自由に演技させて自然なデンゼル・ワシントンの笑顔を引き出した監督も凄い。

また、深く考えなくても十分に楽しめるとともに、前半には多くの細かい伏線が張られており、二度観るとさらに楽しめる映画になっていたところも素晴らしいと思います。

いやー、めっけもんの映画でした😋




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