宇毘友鵶

ヒトラー 〜最期の12日間〜の宇毘友鵶のレビュー・感想・評価

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)
3.5
 我慢ならないのはこの映画の語り手。当時は若かったから善悪の判断がつかなかったみたいなことを冒頭で言ってるけど、はっきり言って同罪。ヒトラーなんてまだ良い方。ひたむきに夢に向かって走って、最期の方で少しみっともなく取り乱したけれど、後世の悪評も犠牲も全て覚悟して死んだ。いわば悪役として大物だった。でも、語り手は違う。見苦しく全てを否定して保身にまわるその浅ましさときたら、もう見ていられない。自分の意思なんて何も無くてその時々の熱狂で馬鹿をやるくせに、当事者意識も無いから自分が悪いなんて実はこれっぽっちも思ってない。ヒトラーが洗脳したんじゃ無くて、自ら勝手に片棒担いだんだろ。弱者のフリした大悪党。そしてそれは、そのまま国民自身を暗示してるんだろね。面白かった。
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