菩薩

柔らかい殻の菩薩のレビュー・感想・評価

柔らかい殻(1990年製作の映画)
3.8
とある少年の「死の感覚」の獲得かな?なんとも変なと言うか不穏な作品だった。いきなりパンパンに膨らませたカエルを爆発させて返り血を浴びせてみたり、その謎の未亡人を吸血鬼だと思い込んでみたり、父親が幼児性愛者のレッテル貼られて自殺したり(このシーン凄すぎる…)、大好きな兄ちゃんは戦争で被曝して戻ってきたり、胎児のミイラを「天使」と崇めてみたりと…なんなんだこれは…。とにかく人がよく死ぬ&出てるやつみんなどっか狂ってる、子供殺されたオカンの鬼の形相とか特に凄い。『ぼくは怖くない』の麦畑と大人の汚さをもっと悪夢的に描いた作品だと思うし、ヴィゴの胸毛アピールが異常、妄想と狂気に満ちた醜悪な世界観は本当に言いようの無い後味を残しているが…画面は異様に綺麗だったから余計になんか気持ち悪い、なるほど、ポスト・リンチなのね…。音楽がちと仰々しすぎるかなぁとも思うけど、いやとにかくなんか気持ち悪くてこんなん結構好きですよそりゃ。
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