このレビューはネタバレを含みます
ルビッチの大芝居
2011年3月3日 16時25分レビュー
1942年作品、エルンスト・ルビッチ監督。
映画オールタイムベストなる雑誌なり、特集では、必ずランクインする監督、ルビッチ。
トーキーコメディ映画の初期には、必ず出てくる名前という予備知識。
本作は、昔リュミエール出版のビデオ発売でかなりのレアビデオだった記憶(二大映画評論家、蓮實、山田監修)
最近裏でひそひそと発売されるユニバーサル発売欧州会社「スタジオゴーモント」系列の欧州作品が多数嬉しいリイシューなされています。
その中の一本、ナチス、題のシェイクスピア、喜劇の傑作、鑑賞に至りました。
なるほど。タランティーノの「イングロリアルバスターズ」も本作の影響うけてそうですね。「ルビッチが好き」ともタラチャン言ってました、その意味がわかります。
三谷幸喜作品等々好きな方
なら、
なおさら必見の「だまし」コメディでございました。
ナチス政権下のとある劇団のお話。
シェイクスピア、戦争、ナチス等々皮肉に満ちた展開、台詞がいっぱいつまっています。
台詞から働く動作の面白さ、映画のテンポ、会話のスピードが楽しめるかと思います。
私は正直、少しあざとすぎて、笑いも閉口したのが素直なところ。
あと誰が誰やら、区別がつきませんでした。
ドラマのフリも少なく「だまし」部分がよくわかりませんでした。
時制的なピークを達する素晴らしい台詞も度々ありますが、イマイチ響いてきません。
そのタイミングで「言う」みたいなところが、どうも乗れませんでした。
というかナチスは、
簡単に「騙せないでしょ!」
というコメディに有り得ないリアリティがなぜか、頭をもたげてしまう結果でございました。
笑いのセンスも少し違うという感じもあります。笑いのツボがちがうみたいな!
さて、ルビッチが魅せる、ある劇団の歴史的な芝居!ルビッチの大芝居が今幕をあける。
是非生死をかけてごらんください!