生きるべきか死ぬべきかの作品情報・感想・評価

「生きるべきか死ぬべきか」に投稿された感想・評価

個人的にはあまり刺さらなかったが、ルビッチの魅力が存分に詰まった名作。タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』だけでなく、数々の傑作が影響を受けている。42年に本作が作られたというのも感慨深い。
 初ルビッチ。物凄いスピードで話が進んでいく。強引な展開はあるが、最後までテンポが落ちないのでそこまで気にならない。なかなか楽しめた。
やっと見ました。面白かった。昔の映画のテンポってすごく好き。最後の終わり方も良い。
一

一の感想・評価

4.8
“To Be or Not to Be”

巨匠 エルンスト・ルビッチ監督作品

ナチス占領下のワルシャワから脱出する俳優一座の姿を描いたコメディ

ルビッチ、ちょっと天才が過ぎるんよ…
最近完璧という言葉を使いがちだけど、これも本当に完璧なコメディ映画なんじゃないか
それくらい異常な完成度の高さなので、とりあえず観てくださいとしか
繰り返し観れば尚更感動しそうな気配すらあるクオリティ

本当に自分でもわけがわからないくらい面白い
こんなにも感心してしまうほど良くできている映画を観たのは久しく記憶にない

最高のコメディでありながらナチスへの痛烈な風刺が効きまくるので、ただ笑えるだけでは終わらない
ルビッチらしい上品さも兼ね備えつつ、センスしか無い洗練された痛快な笑いが生み出される男女の駆け引き

シリアスな緊張感とユーモアの絶妙な緩急とバランス
緻密な脚本により伏線が散りばめられながら、リズミカルなセリフのひとつひとつがいちいち小洒落ていて、ナチスへの反戦メッセージを入れつつも、あざとさも嫌らしさもない爽やかなコメディに仕上げる手腕

ヒトラー存命中、しかも第二次世界大戦の真っ只中で製作されたという背景があるので、ナチスの卑劣さや醜悪さ、狂気とまあ色々な見方が出来るアイロニカルな演出もシビれる

時代を感じないどころか非常に勢いのある作品なので、セリフ量が多い上に次々と展開されていくストーリー
更にはモノクロ映像でありながら、似たような髪型をした馴染みのない役者さんばかりなので、少しでも目を離すとついていけなくなるほどスピーディーな圧巻の展開力
そして待ち受ける喜劇として完璧なラスト

美しすぎるヒロインのキャロル・ロンバードは、飛行機事故により33歳という若さで亡くなり、本作が遺作となってしまったというのが残念でならない…

因みに邦題にするとなんだか堅苦しいタイトルになってますが、全然軽い気持ちで観ても楽しめる痛快娯楽作です

さすがあのビリー・ワイルダーの師匠
新年1本目にふさわしく、心の底から楽しめるとんでもない完成度の大傑作コメディ

とりあえずチャップリンの『独裁者』も観なければ

〈 Rotten Tomatoes 🍅98% 🍿93% 〉
〈 IMDb 8.2 / Metascore 86 / Letterboxd 4.2 〉

2021 自宅鑑賞 No.001 GEO
zhenli13

zhenli13の感想・評価

4.2
すべてが周到な傑作。ルビッチが得意とした不貞を軽々と超える艶笑を、ヘイズコード下のアメリカにおいてナチス批判とパトリオティズムと綯交ぜにする巧妙さよ。劇場(演者)と現実世界の入れ子的混同も素晴らしく面白い。この占領下での劇場とナチスという構図をクストリッツァは『アンダーグラウンド』に引用したのでは。

"To be or Not to be” の意訳は「生きるべきか死ぬべきか」とされてるけどもっと違う訳し方もあるようで、本作では『ハムレット』の例の科白というだけでない含意もあるのではないか。また「ナポレオンはブランデー、ビスマルクは高級魚、ヒトラーは安物チーズ」という笑い話とか「収容所のエアハルト」という言葉も、日本語訳では含意が伝わりにくいところもあるのでは…(英語がちゃんとわかれば…)

ローゼンクランツとギルデンスターン的な大部屋役者の2人が随所に登場する。進攻されたワルシャワの雪の中でシャイロックの科白を呟き、最後に大芝居をうつ演出に涙が出る。

1942年公開の本作、ルビッチが連合国の庇護にあったとはいえナチスドイツの批判をリアルタイムで行うことができた当時の様子はどんなだったか知りたいものだ。
MaTo

MaToの感想・評価

3.0
展開は鮮やか。酷評されていたMブルックス版はそれほど酷くない。
to be or not to beはコメディ
ポーランドの劇団の役者達がナチス相手に演技で騙す

1942年製作でナチスを笑い者にする設定はすごい

シェイクスピアのハムレットの有名なフレーズ
to be or not to be、that is the question
からのタイトル

 
リメイク作は、メルブルックスの大脱走
この時代に、この作品を作ったということがすごい。もちろんナチスドイツやヒトラーを徹底的にバカにした、ということもすごいけど、古い映画やからと言ってばかにできひん脚本力には脱帽。
チャップリンの「独裁者」とよく引き合いに出される本作。私にとっては、本作の方が一本の映画として全体的に良くできていると感じた。
ただ、ドイツを笑いものにするだけということに対しては否定的な意見を持ちます。最近の作品で言うと「ジョジョ・ラビット」もナチスコメディモノではあるが、やはりコメディとしてナチスを描き切ることの意味や、描き方は難しいなぁと思いました。笑い物にするだけでは意味がない。そこからどう深めていけるか、今後そのバランスをうまく魅せる映画が現れることに期待します!
ポーランドの劇団がナチスにスパイとして成りすましていくコメディ映画
ヨーゼフのソビンスキー中尉に対する嫉妬で思わず演技を辞めてしまう所が面白かった
タランティーノのイングロリアス・バスターズもこれの影響を受けてたんだなと感じる部分が多々あった
こんな内容を第二次世界大戦真っ只中に公開できるんだからアメリカって凄いなと改めて感じた
方眼

方眼の感想・評価

4.5
1942年”To Be or Not to Be”。スクリューボールコメディ観るといつも思うが、公開当時の観客は頭イイ。脚本や監督が賢くてよく考えて作っているのはわかるが、娯楽としてそれを映画館で観て楽しめるスキル。本作は、作り手側が役者と映画が心の底から好きなことが伝わる。
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