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ターミナルのKAIのレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
4.5


率直に面白い!と思った


ある理由で、ターミナルに閉じ込められてしまった主人公を描く物語ですが、場所がターミナルに限定されているのに、よくこんな飽きない脚本を作れるな〜と上から目線だけど思ってしまった!


展開の一つ一つが最低限生きていくための行動だから、非常に原始的で、誰にでも共通することだったから共感を生みやすい。理にかなっている行動だから、少し無理があった展開でも納得してしまった。

そして、「ターミナル」と言う場所を最大限生かしているのも面白さの一つだと思う。状況をうまく話に組み込んでいるからこその面白さ。


ちなみに、本作の舞台であるJFK空港ですが、同時多発テロの影響か、撮影許可がおりなかったらしいので、全部セットらしいです笑(規模が凄すぎた)


また、実際に空港で住むような人がいたらしく、調べてみたら、Wikipediaでめっちゃ出てきました笑(空港に居住した人物の一覧って言うのがあります)











<以下ネタバレ>



【天才=バカ】


天才とバカはやっぱり紙一重な存在だと感じた。

本作の主人公、ビクターが天才なのか?バカなのか?今も分かってない笑監視カメラに見られているかもしれないとあざむくシーンは笑った。

それまで、少しおっちょこちょいな描写が多かったのに、急に頭脳プレイ見せてくるやんと思って、天才……かも?

その天才&バカから生み出されるコミカルさ、
コメディ要素が加わることによって、多少無理な展開だとしても、無理なく観ることができる。



【脚本力】


まキャラクターの裏話を明かすタイミングが素晴らしいなと思った!

ビクターの父親の話だと、結構ラストで裏話を明かされる。物語終盤までこの話を伸ばすことで、なぜビクターはここまで心折れずに生きようとしているのか?という疑問をずっと持って観ることができる(ドキドキしながら観れる)

また、グプタの裏話を出すタイミングも完璧すぎて、拍手しそうになった笑



【空港は人間ではなくなる?】


空港と言う場所は、全て文字、数字で管理されている。

入国するためには、パスポートが必要で、パスポートには数字が書かれている。その数字を見て、入国しても大丈夫か決めている。だから、その人(人間)で判断しているのではなく、数字で判断しいてるということになるので、その瞬間は人間ではなくなる?(言い過ぎかも)

ヤギの薬のシーンからも、規則(ルール)は絶対であり、どんな感情があろうと、規則違反ならば、それは排除されてしまう。

でも、ラストシーンなんかでは、警備員の人が、「外は雪だからこれ着てきな」とルールを破り人間味を出しているシーンがあるので、監督は規則に縛られすぎずに、人間を出した方がいいといっているのではないか?



疑問に思った点が1つありました。
ラストシーンです。自分的には、

「サインいいですか?」

「いいけど、演奏の後で」

座る

サックスの音が鳴り響く

ビクターにカメラが寄ってく

ここで、ブラックアウトしてサックスの音と共にエンドロールっていう展開を自分は思い描いていました。

だって、演奏の後にサインはもらえそうな雰囲気だし、その後は国に帰るんだろうなとその時点で想像できたから。

だけど、そこでは終わらず、タクシーに乗って「家に帰るんだ」で終わり。

もちろん、この物語の目的(終わり)はサインを貰うことではなく、国に帰ることだから、このセリフ終わりでも納得はするけど、サックスを聞いているビクターを見ればある程度想像できるので、丁寧に描くのではなく、観客の想像に任せてもいいんじゃないかなー?と思った。


ラストに少し疑問が残ったけど、素晴らしい作品であることは間違いないと思いました!
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