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蔵の中のimaponのレビュー・感想・評価

蔵の中(1981年製作の映画)
3.6
横溝正史原作の桂千穂脚本による耽美作品。
小雪・ニューハーフ松原留美子は幼い頃の中耳炎が元で聾者に。台詞無い設定は彼女の演技を助けるためなのかも知れないが代わりに読心術使う笛二・山中康仁の台詞回しが拙いので効果出ず。

この読心術が映画的演出でほとんど超能力。
遠眼鏡で覗く情事の様子をアフレコするのはかえって拙い口調が面白い。

蔵の中の姉弟の前半は辛いが、裏窓的な遠眼鏡からサイコ的結末への捻りは流石。入れこ構造の現実と妄想の錯綜を切り裂くようなエンディングカットに震えた。

原作の良さなのか、脚本の良さなのか、原作未読だけれど恐らく後者と推察。原作も短編らしいので読んでみてもいいかも。
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