イチロヲ

死霊の罠のイチロヲのレビュー・感想・評価

死霊の罠(1988年製作の映画)
3.5
宛名不明のスナッフ・フィルムを受け取った女性レポーター(小野みゆき)が、取材仲間と共に撮影現場を探索していく。危険な場所を訪れた一行が、サイコパスの襲撃に遭うパターンのスラッシャー映画。石井隆脚本のため、主人公の名前が名美になっている。

トビー・フーパー調、ダリオ・アルジェント調、サム・ライミ調をチャンポン鍋にしている作品。各要素を材料にしながら、池田敏春の映画術と化学反応させているので、誠意のある引用とすることが可能。

凄惨なスナッフ・フィルムの撮影現場に「男1名、女4名」というチーム編成で向かうところが、すでにツッコミ待ちの状態。ちゃんと1人ずつ殺害されて、ちゃんと主人公が孤立無援になる。そしてヌードになれる女優は、ちゃんとオッパイを見せてくれる。

後半部の台詞劇でテンションが下降気味になってしまうが、小野みゆきのビックリ顔芸とパンチラも辞さない体当たり演技が秀逸。ロマンポルノ時代から作家性の軸がブレていないことへの安心感を得ることもできる。
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