スガシュウヘイ

新しき土のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

新しき土(1937年製作の映画)
2.5
1937年!
今まで見た映画の中で一番古いかもしれない。
日本史の教科書を調べてみたら、
なんと盧溝橋事件のあった年(!)ということだ。

『風と共に去りぬ』が1939年。
『ファンタジア』が1940年。
このような大作を作った国と
よく戦争なんかしたものだ、と思ったが、
日本(正確にはドイツとの合作だが)も
負けてはいなかった。

円谷英二や山田耕筰、北原白秋、
演奏は現NHK交響楽団、
現東京フィルハーモニー交響楽団など
強力なスタッフが揃っている。


「その美しさに時間がとまる」
というのが宣伝文句だったが、
確かに原節子は綺麗だった。
今の女優とはまったく異質の
ひとつの芸術品のような美しさだった。

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家の裏に厳島神社があったり、
東京市街を阪急電車が走っているなど、
ドイツ人が作ったのか、
へんちくりんな場面もあり。

また、輝夫(小杉勇)が車をとばし、
川を泳いで渡り、、
足に火傷を負いながら満身創痍で
火山に登ったというのに、
光子(原節子)は涼しい顔をして頂上にいた、
というのは謎だ。

そもそも、
こんな事を言っては元も子もないが、
輝夫のどこが好きなのか謎。
悪いが全然かっこよくない。
光子とは不釣り合いだ!

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「私の命は祖先と未来をつなぐ、
 永遠の生命の中の血の一滴」
というフレーズが印象的でした。

西洋の個人主義もいいが、
私はやはり日本人だなぁ、と思いました。


製作:1937年(日・独)
監督:アーノルド・ファンク、伊丹万作
出演:原節子、小杉勇、早川雪洲