にゃんこむ

イントゥ・ザ・ワイルドのにゃんこむのネタバレレビュー・内容・結末

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

二ヶ月くらい前にDVDで鑑賞したのですが、なんと感想を書けば良いのかわからず放置していた作品。

登山家であるジョン・クラワカーによる、ノンフィクション作品『荒野へ』を映像化したもの。

○クリスはなに不自由ない裕福な家庭に生まれ、大学を優秀な成績で卒業したが、見栄や金ばかり重視する両親に反発し家を出た。貯金を寄付し身分証も持たず放浪の旅に出たクリス。
クリスの妹は兄のいない家の様子が少しずつ変わっていることに気づいていたが、クリスに伝える術はなかった……。

クリスが死ぬという結末を知った状態で見たのですが、知らなければ100倍くらい衝撃だったに違いない。もうね、救いよう無さすぎ。

開始早々クリスが色々と拗らせすぎて辛い。
頭が良くて、純粋で、行動力があるからこその若気の至り。
彼はアラスカに向う道中、大自然の中で暮らし、死んでいく自分を想像したに違いない。けれどいざ死が迫ってきたときには、死にたくないと強く願ったに違いない。そう思うと非常に空しい。

道中で会う人々はクリスの生き方を歓迎してくれている似たような人々。
ただしクリスと決定的に違うのは、生きるために妥協をしているか否か。俗世間を捨て、大自然の中で生きたいという希望は持っているものの、その厳しさも知っている人たちばかり。クリスには若さ故の驕りがあったことが敗因。最後は道中であった人々より、クリスの方が世界の真理に近づいたかもしれません。でも死んじゃおしまいじゃない。

ラストのカメラワークも相まってとても印象に残る作品でした。
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