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男の世界のcollinaのレビュー・感想・評価

男の世界(1956年製作の映画)
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手元のジェラールのDVDも2本となりましたところで、今作、「男の世界」。言ってしまえば、フランス版、「黒部の太陽」。

ダムの設計士、ペラン技師(フィリップ)は建設現場のみんなに慕われています。しかし、ダムの建設は設計通りに進まない。事故は起き、亡くなる人もいる。また、労働者は厳しい労働環境に対し、手当が出ないから、ストを起こすとペランに訴える。現場と本部の間でペランは板挟みに。「ダムは俺の作品」と言うペラン。現場の要求に応えようとしますが、ペラン自身、病を抱えている。現場の医師や看護師(彼を思い続けている)は彼を山からおろそうとしますが、彼は聞かない…、そんな中、落盤事故が起き…。

微妙でしたね。いとも簡単に事件が解決していってしまって、「それでいいのかい…」と。「黒部の太陽」(幼い頃、何故か父と2人でテレビで観た)の方が見ごたえあります。しかも、最後の最後には、また事故が起き、ハッピーエンドにしたいのか、不穏な感じにしたいのか。ドキュメンタリータッチにしたかったようですが…。そのためにジェラールのアップもわざと少なくしていますが…。最後がとっ散らかってしまっていました。

ジェラールにしては珍しい現代劇で技師という役柄で、彼自身は文芸作品のイメージを脱却しようとして参加したそうで、この作品は気に入っていたようですが…。ペラン技師も、中途半端なキャラクターなため、なんともいえない。

まとまりきらなくて、空中分解してしまったみたいな…映画。
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