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夜と霧のcollinaのレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
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2020年の夏に講義で観ました。

1955年当時までにプリーモ・レーヴィなどが文筆の面では記録を残し始めていましが、今作は「映像」として人類全体がホロコースト/ショアの「記憶」に向き合う第一歩になった作品ではないでしょうか。

この作品はアウシュヴィッツが象徴的に扱われていますが、一方で記録映像の方にはアウシュヴィッツ以外の史料が用いられ、歴史的史料としての評価は困難です。しかし、人類が過去と断絶しかけていた終戦から10年というときに、人類として「記憶」に向き合う方法の模索を始めたという点で、重要な映画であると思います。

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エーヴァウト・ファン・デル・クナープの『映画『夜と霧』とホロコースト』では『夜と霧』と記憶の関係を論じられていて、映画から考えるきっかけを与えてくれる一冊になると思います。
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