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お葬式のQMのネタバレレビュー・内容・結末

お葬式(1984年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

去年祖父祖母が死んで、お葬式っていつのまにこんなにフォーマット化されたんだ?と頭をよぎったのを思い出した。昔もフォーマットではあったと思う。でも、曽祖父母のときはもう少し儀式感を幼いながらに感じていたきがする。すごく機械的に、作業として進行されるイベントになった。現代におけるフォーマットといえば、の結婚式は、本人達の思い出になるからまだいい。でも葬式って本人死んでるんで。この「お葬式」もだけど、死んだおばあちゃんの生前の人となりとか一切無視w そう考えると葬式のイベントとしての本質は、ガワを変えただけで昔も今も変わっていないということなのか?
残った人間のいろんな思惑がストーリーの中心人物であるはずの故人とは関係ないところで繰り広げられる。思惑といっても大した事件性や驚くべき展開もない。それでもやはり亡くなったということは(ほぼ)まったく意識されないのがおもしろい。ただ、死がその場をつくったというだけ。
伊丹十三のカメラワークは彼の作品にいつもワクワクさせられる要素のひとつだが、今回も仰向けに寝ている故人の下から家族のやりとりをみてるようなシーンが新鮮だった。上から見下ろすのは、マンガとかでみるけれども。
最後は家族っていいな、みたいなほんわかストーリーにまとまってるのが最高にシュールでした。
当時意識されてたのかわからないけど、現代人の端くれからすると、古き良き文化をこんな上質なエンターテイメントとして残してくれてありがとうございます、です。
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